更年期の症状と対処法
更年期に起こる、その他の症状
今まで紹介してきた症状は、更年期に現れる主な症状ですが、更年期の時期に起こりうる症状には、他にも様々なものがあります。また更年期の初期に出やすい症状、中期や後期に出やすい症状に分けることもできます。
更年期初期
更年期の初期によくみられる症状 | |
自律神経失調症状 | ほてり、のぼせ、発汗、冷え、動悸、血圧の変化 |
精神神経症状 | 物忘れ、不眠、集中力低下、イライラ、頭痛、 めまい、しびれ、孤独感や不安感 |
更年期中期
更年期の中期から後期によくみられる症状 | |
膣や膀胱の衰え | 頻尿、尿漏れ、細菌性膣炎、尿が我慢できない |
筋肉や骨格の衰え | 尿漏れ、子宮脱、肩こり、関節痛、腰痛、背骨の痛み、足のだるさ |
皮膚の衰え | しみ、たるみ、しわ、肌の透明感の低下 |
この他にも、閉経後は女性ホルモンが低下するための、高血圧の症状がみられるようになります。
高血圧の状態が続き、高脂血症、高血糖、肥満などの症状も加わると、動脈硬化が進んでいきます。
このようにして、閉経から10年くらい経つと、それらの悪影響が出始め、狭心症や心筋梗塞などの発症率が増えていきますので注意が必要です。
更年期かも?と感じたら
40代になると、体の不調を感じる人も増えてきます。しかし、更年期かもしれないと感じても、すぐに病院で診てもらうことに、抵抗を感じる人も多いでしょう。
日常生活に支障が出るほどひどくなければ、今は様々なサプリがでていますので、自分でできることとして、まずはサプリを飲んでみるという方法もあります。
20代30代からの「プレ更年期」が増加
一般的な更年期は45~55歳くらいの10年間と言われていますが、最近では20代、30代から「顔のほてり」「のぼせ」「イライラ」など、更年期のような症状を感じる人が増えており、これは「プレ更年期」と呼ばれています。
20代30代は、まだエストロゲンが十分に分泌されている状態ではありますが、過労やストレスなどにより、自律神経のバランスが崩れてしまい、更年期障害と同じような症状が現れる場合があるのです。
こういった症状が現れた場合は、規則正しい生活をし、ストレスをやわらげるなどして、自律神経の働きを元に戻してあげることが大切です。
更年期を乗り越える対処法
更年期とうまく付き合っていくことが、閉経後からの10年、20年を生き生きと過ごすために大切なことです。
更年期を上手に乗り越えるためには、様々な対処方法があり、自分に合ったやり方や方法を選ぶことが大切です。
更年期障害を病院で治療する
更年期障害がひどい場合、日常生活をスムーズに過ごすことが難しくなります。このような場合は、病院で診断を受け、適切な治療を受ける必要があります。
ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法とは、足りなくなったホルモンを補い、症状を改善していく方法で、一番多く利用されていま
す。
ホルモンの補充の仕方は色々あり、飲み薬や張り薬、塗り薬があるので、自分に一番合った方法を選ぶことがでます。
ただし、乳がんや子宮体ガンの人や、薬でアレルギー症状が出た人は、この方法が使えない場合があります。
漢方療法
漢方療法は、漢方を飲んで治療する方法です。
漢方薬は、効き目は穏やかではありますが、通常の薬よりも副作用が少ないので、長期間飲み続けることができます。
主に使われる漢方は、
- 当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)
- 加味逍遙散 (かみしょうようさん)
- 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)
の3種類となっています
自律神経調整薬
立ちくらみやふらふら感などを治療したり、不安感、動悸息切れなどの症状を改善するために、自律神経調整薬を利用することがあります。
この薬は、交感神経と副交感神経のバランスを整えてくれる効果があり、副作用も比較的少ないとされています。
プラセンタ療法
プラセンタ療法とは、人の胎盤から抽出されたプラセンタエキスを注射する方法で、更年期の様々な不調に効果があります。
プラセンタはアンチエイジングで有名な成分ですが、更年期障害の治療として注射する場合は保険が適用となります。
更年期サプリを飲む
病院に行くのではなく、自分で気軽に取り組める方法として「更年期サプリを飲む」という方法があります。
様々な更年期サプリがあって、効果の感じ方も人それぞれですが、継続して飲むことで何らかの効果を感じる人が多いようです。
通院が必要なく、気軽に始められることから、「更年期かな?」と思ったら、まずはサプリを試してみることもおすすめです。
サプリには、
- 大豆イソフラボンやエクオールなど、エストロゲンと同様の作用があるもの
- コエンザイムQ10やビタミンなど、抗酸化作用があるもの
- カルシウムやグルコサミンなど、関節や骨のケアに役立つもの
- EPAやアルギニンなど、脳や血管のケアに役立つもの
など、その製品によって含まれている成分に特徴があります。
多くのサプリの中から、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
大豆製品を積極的に摂る
大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されており、更年期症状をやわらげてくれる効果が期待できます。
また、大豆は食物繊維やオリゴ糖も多く含んでいるので、年齢とともに乱れがちな腸内環境を良くし、体全体の調子も整えてくれます。
適度な運動を取り入れる
ヨガを取り入れたストレッチを寝る前に行うと、更年期症状や抑うつ症状を改善することが明らかになっています。
もともとストレッチには、「交感神経の働きを抑え、副交感神経を活発化させる」という効果があります。
また、交感神経が優位になると、血管が収縮して血流が悪くなるため、
- 肩こり
- 高血圧
- むくみ
の原因にもなります。
日常生活にストレッチを取り入れることで、副交感神経を活発にすることができ、更年期症状をやわらげることができます。
また、寝る前にストレッチを行うことで、寝つきが良くなり、安眠できるという効果もあります。
このように、副交感神経を優位にし、質の良い睡眠をとることができると、自然と生活リズムが整ってくるので、更年期症状の緩和が期待できます。